国際交流・留学 International exchange and study abroad

overseas

派遣留学の体験記 (ドイツ・ハノーバー専科大学) 

芸術学部 デザイン工芸学部 映像メディア造形科 4年  福田 李音さん

 ドイツ・ハノーバー専科大学
[2022年9月 ‐2023年2月]

● 留学先大学の特徴とアピールポイント
 ハノーバー専科大学はキャンパスの数や生徒数が多く、また一つ一つの施設が広いです。
私は、”Faculty of Ⅲ”(芸術学部)に所属し、そこのキャンパスに通っていましたが、機材が豊富で施設が物凄く充実していました。また、留学生向け(Faculty of Ⅲ)の授業はどれも少人数制で、講義を聞くというよりも作品を作ってプレゼンする、もしくは作品を作る上で必要な技術を学ぶといった内容が多かったです。教授と生徒との距離感も近く、授業の節目にはお菓子や飲み物を用意してみんなで食べたり、授業の一貫で美術館に訪れたりなど楽しい授業ばかりでした。教授も明るく優しい人たちばかりで、作品に対して厳しいことは全く言われません。基本的に褒めてくれます。こうした方がもっと良くなるというアドバイスはもらいますが、講評の日はまったくピリついた雰囲気はなく、生徒や教授の前向きな意見が沢山飛び交う印象でした。


〈Faculty of Ⅲのキャンパス〉中心街から電車で20分程度

● 留学を振り返って、留学で得たものと今後の目標は何ですか?
 得たものとして一番大きかった事は、自分にはできることが沢山あるということに気付けた事です。私自身、英語の力はあまり高くないので、流暢でない英語でどこまで出来るか不安でしたが、半年の留学を終える頃にはレストランでの注文や、ホテルの受付、道を訪ねたりなどの基本的な場面から、授業でプレゼンを行ったり、感想をいいあったり、友人と話したりなど出来るようになりました。苦しくはあったのですが低い英語力でもできる事は沢山あるということに気づくことができました。
 またもう一つ得たものとして不測の事態が起きた時、冷静に対処する力が身についたと思います。例えば、ヨーロッパでは鉄道や電車などの遅延や変更、キャンセルが日本と比べてかなり日常的に起こります。私がヨーロッパ各地を旅行していた時は、ストライキが発生し空港行きの電車が封鎖されたことがありました。慣れない土地で、そういった事態が発生すると帰れなくなるのではないかと不安になりますが、自己責任なので自分で空港行きの違うルートを探したり、予定していた観光を中止にし早めに空港へ向かうなどの対処をしなければなりませんでした。こういった事が頻繁に起きていたのですが、その都度慌てず冷静に対処できていたと思います。
 今後の目標はさらに英語の力を伸ばし、ドイツで出会った友人達と将来再会した時に、より流暢に会話をする事です。

〈寮の友人と〉

● これから留学を希望する後輩へのメッセージ
 留学の良い所は、様々な国から来た学生と出会えることだと思います。お互いの国との文化や人柄、生活習慣や考え方の違いを見つけるのも楽しいのですが、お互いの共通点や同じ考え方をしている部分を見つけるのも楽しいです。また現地に行かなければ知らなかったことや、見れないものなども数えきれない程あります。そのような中で経験した事や、出会った人たちとの思い出は一生の宝物になると思います。もし留学を少しでも考えているのであれば、まずはお金を貯める事です。次に並行して語学を向上させる事です。それぞれの目安は国ごとの大学や期間により異なりますが、お金も語学力もあればあるほど安心して留学できると思います。私の場合、語学にあまり力をいれないまま渡航してしまい物凄く苦労することになりましたが、しっかりと語学の準備をして留学に挑めば、より一層有意義な時間を過ごす事が出来ると思います。


〈プロジェクションマッピングの授業〉

● 最後に
 特に仲の良かった、メキシコとルーマニア出身の友人がいました。授業が終わった後、一緒に電車に乗って帰ったり学食で食べたり、クリスマスマーケットに行ったりなど、そういった些細な事が自分にとっては幸せで、一番楽しい時間でした。また、留学中に制作していたアニメーションに声優として2人に協力してもらい、演技の指導や録音、完成した作品の上映会をした日々もまた思い出深い時間でした。
 辛かったこととしては、ドイツに着いてからの1ヶ月間が一番苦しかったです。まだまだ自分の生活リズムが安定せず、滞在するための手続きに追われたり、口座開設も上手くいかなかったりなど、生活する基盤がしっかりと整っていない期間は心身ともに辛かったです。次に苦しかったことは、ドイツでの授業を掛け持ちしながら展示(デザイン工芸学科3年による企画)に出展するためのアニメーション制作を行なっていた事です。授業終わりの空いた隙間時間で制作していたので休む暇がなく、夜遅くまで大学に残り次の日の午前中に授業へ行くといった生活を続けていました。しかし、そのおかげで忍耐力と持久力が鍛えられたと思います。

〈クリスマスマーケット〉

〈教会でのクリスマス〉



 

【関連リンク】


お問い合わせ先

国際交流推進センター(講義棟104)
TEL:082-830-1784

E-mail:iepc&m.hiroshima-cu.ac.jp

※E-mailを送付されるときは、&を@に置き換えて利用してください。