国際交流・留学
International exchange and study abroad
派遣留学の体験記(フランス・レンヌ第2大学)
芸術学部 美術学科 4年 藤本 海さん
フランス・レンヌ第2大学
[2023年9月 ‐2024年4月]
● 留学先大学の特徴とアピールポイント
一番大きな魅力は、語学学校が大学内に併設されていることだと思います。そのため、語学留学、学部留学のどちらでも語学におけるサポートを手厚く受けることができます。またその機関が主催するイベントやワークショップなども豊富であり、様々な国にルーツを持つ人との交流をすることもできます。
芸術の学部留学をした身としては、細分化された分野における表現の実技の授業を自由に選べることも大きな特徴だと思いました。私は、油絵を学んでいましたが、レンヌ第二大学では、バンド・デシネ(フランス語圏のマンガ)、アニメーション、文章による表現、SFのクラス、製本のクラスなどを履修し、それぞれの表現に合った先生方のレクチャーや講評を受けることができました。また、他学部の授業についても、それぞれの学部の担当教員へ相談することによって受けることができました。これも制作に向けての知識を身につけるという点で、とても良いと感じました。私はバンド・デシネの研究を深めるために留学したのですが、大学図書館にバンド・デシネのコーナーがあること、そして、歴史書や研究書のコーナーにもバンド・デシネなどの漫画表現の研究書が多く置いてあったことも、本大学へ留学してよかった点でした。
〈大学校舎〉
● 留学を振り返って、留学で得たものと今後の目標は何ですか?
本留学へ向けて、どこにいても制作ができる環境を作るため、自身の制作の軸を固めること、道具の選択、そして発表の場という3要素を整えることを目標としていました。そのほかにも、語学力の向上や、様々な作家や学生との交流も積極的に目指すものとして留学へ行きました。結果として、ある程度の目標は達成できたと思います。まず制作の環境については、バンド・デシネという軸を固め、道具もフランスで購入したものや、デジタル機器との融合により、スムーズに制作できるようになり、フランスにいながらも世界中へ向けてAmazonを経由して本を出版するということを達成しました。語学力については、フランス語をもう少しスムーズに扱えるようになりたいとは感じましたが、フランス語での作品発表、先生や友人とのディスカッションができるようになったので、よかったと思います。交流については、日本語クラスのアシスタントや実技の授業、ワークショップやクラブ活動や寮生活を通じて、多くの友人を作ることができ、さらに多くのバンド・デシネのイベントへ赴き、作家の方々とお話しもできたのでこの目標も達成できたと思います。
今後はこの1年間で整えた制作環境をもとに、自費出版ではなく、実際の出版社などとのコネクションを作り、フランスを中心に日本国外での作家活動を本格的に始めようと思います。そのためにも、この1年間ではコンテストへの挑戦、個展の開催をし、卒業後すぐに作家活動が始められるようにしていきたいです。
〈授業風景〉
〈バンド・デシネのマーケット〉
● これから留学を希望する後輩へのメッセージ
私は美術の学部留学ということで、語学だけでなく、絵というコミュニケーションツールを有した状態で留学をしました。これはときに語学力よりも大きな力になることがあります。絵による説明や、共通する文化への興味など、語学力がままならなくても、人々と交流したり繋がりを作ることができます。しかしながら、その国の文化や言葉を学ぶ姿勢や、カタコトであったとしても何か共通の言語で話せるということは、そういった繋がりを作るチャンスを増やしたり、留学生活を華やかにするためにとても大切であるとも思います。言葉をうまく使いこなすことは日本語であっても難しいことだと思いますが、最低限の挨拶や単語など使えるようになることで、その先の様々な困難にも対応でき、楽しいこと、学びがたくさん待っているので、是非心のどこかに留めておいて欲しいなと思います。また、そのための挑戦の場として、オンライン交流会や芸術学部主催の交流授業など、広島市立大学にはたくさんあるので、是非とも参加して欲しいです。
〈学食ランチ〉
● 最後に
私は大学の授業などとは関係なく、Fest-Nozというブルターニュ地方の踊りの祭りへよく行っていました。そのお祭りというのは、動くとすぐぶつかってしまうようなほどの人の集まった場所で、皆で輪になったり、一列になったりして同じ動きを年齢関係なくするもので、これまでに感じたことのない爽快さがありました。最後には最大規模のお祭りへもいき、実際のバンドの演奏に合わせて、何千人にも及ぶ人々と踊りました。日本ではまずできないことだったので、とても良い経験になりました。
そしてそこから広がった大学とは別の交友関係の中には、フランスで実際に生活されている日本人の方々もいました。その中で、日本人とフランス人のご夫婦とお子さんのお家や別荘へお邪魔させていただきく機会がありました。フランスの家庭料理や、子どもたちの暮らし、日本人がフランスへ行って暮らすことの大変さなど、短い滞在ではありましたが、たくさんのことをお話ししていただき、将来的にフランスに住むことへのイメージが少し湧くような気もしました。大学の授業ももちろん多くの学びがあったのですが、その地域や実際に住んでいる方々との交流が私にとっては最大の経験と学びになったと思います。
〈友人と〉
〈休暇中〉
【関連リンク】
お問い合わせ先
国際交流推進センター(講義棟104)
TEL:082-830-1784
E-mail:iepc&m.hiroshima-cu.ac.jp
※E-mailを送付されるときは、&を@に置き換えて利用してください。