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グランディ国連難民高等弁務官による講演会を開催しました

講演するグランディ国連難民高等弁務官

11月27日(日)、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官による講演会「平和都市で難民について考える」を広島平和記念資料館にて開催しました(主催:広島市立大学、共催:UNHCR駐日事務所、後援:広島市)。

グランディ氏は、国内紛争などで故郷を追われた人が世界で6,500万人を超え、その半数以上が18歳未満の子どもであること、また難民のうち海外に避難した人びとは一部にとどまり、難民や国内避難民の大半は紛争地域や周辺部の厳しい環境の中で今も多くの苦難を強いられている現状などについて、熱心に説明されました。

そして、難民流入に難色を示す世界的な風潮に懸念を示し、難民問題に対しては私たち全員が果たすべき人道的な役割があり、全員が共有すべき責任があると述べた上で、仕事や教育、そして受入国内の移動の自由といった適切な「機会」が与えられれば、「難民は受入国の経済や社会に貢献ができる」と指摘しました。

戦後復興を遂げた日本に対しては「難民支援で極めて重要な役割を担っている」、広島市に対しては「悲劇的な廃虚から活気のある街へと復興した、世界の希望の象徴」としながら、「若い皆さんが難民問題について勉強し、難民支援に対して意識を高め、社会が難民とその家族を温かく迎え支援できるようになってほしい」と呼びかけられました。そして、今後も日本政府と日本の人びとが難民支援に積極的に関与することに期待を示されました。

講演会には本学学生や教員をはじめ、県内外の小学生から社会人まで、合わせて162人が参加しました。質疑応答も活発になされ、難民が発生するメカニズムや予防策、難民支援の現場での日本人の特徴を生かした支援について議論がなされました。参加した市民からは、非常に有意義な講演であったという感想が寄せられました。

講演会に先立ち、グランディ氏は広島平和記念資料館を訪問し、原爆死没者慰霊碑に献花されました。また講演後のグランディ氏と本学の青木学長との懇談会においては、今回の広島訪問を機に、UNHCRと本学の平和に関する教育・研究面での交流などが話し合われました。

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