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映画上映会「難民・移民として生きる」を開催しました

参加者と質疑応答を行う須永氏

 
司会の田川教授

1月26日(金)、横川シネマ(広島市西区)において、日本アフリカ学会中国四国支部と本学国際学部の共催で映画上映会「難民・移民として生きる」を開催しました(後援:国連難民高等弁務官駐日事務所、国連UNHCR協会)。

国際学部の田川玄教授が司会を務め、第I部では日本学術振興会特別研究員の須永修枝氏による「ヨーロッパの『ソマリ難民・移民』~ロンドンでの調査を踏まえて~」と題した講演がありました。

講演では、まず、ソマリアを取り巻く状況についての解説がありました。「ソマリア連邦共和国」は、イギリスとイタリアの植民地支配を経て1960年に独立を果たした国家です。当時の政権が崩壊した1991年には、ソマリア連邦共和国のうち旧イギリス植民地地域が「ソマリランド共和国」として独立を宣言しましたが、各国は独立を認めず、依然としてソマリアを構成する「一地域」として位置付けられています。

次に、「世界中のどこにでもいる」と言われるソマリの人々についての解説がありました。
1980年代から続く内戦により、ソマリアの人口約1,000万人のうち、約150万人が国外で生活しています。その内訳は、近隣諸国に逃れた難民が約87万人、そして、約63万人がソマリアから遠く離れた異国の地で暮らしています。また、ソマリア国内には約156万人の国内避難民が存在しています。

講演・質疑応答後の第II部では、スウェーデンの伝統スポーツ「バンディ」(スケートリンク上で行うフィールドホッケー形式の球技)を通して街に溶け込もうと努力するソマリの若者の姿を描いた映画「ナイス・ピープル」(2015年公開)を鑑賞しました。

スウェーデン国内には5万7,873人のソマリが住んでおり、そのうちの5%に当たる2,942人が映画の舞台となるボーランゲという街で暮らしています。須永氏からは、ボーランゲの人口は5万1,000人で、そのうち16%が外国生まれ(うち6%がソマリア出身)であるとの説明もありました。

本上映会には一般の方や本学学生・教員合わせて50人が参加しました。
講演と映画鑑賞を通じ、世界的な課題である難民問題について考える機会となりました。

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