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ロングインタビュー第1回

高木さん

芸術学部美術学科彫刻専攻2年 高木 由貴恵さん
(大学案内2012「Voices」掲載)

■ 高木さんは横浜のご出身ですが、まずは、広島市立大学に進学された理由を教えてください。
彫刻を学びたいという何よりも強い思いがあり、芸術学部への進学を希望して勉強を続けていたところ、先生から「広島市立大学にとても良い先生がいる。」と薦められ、市大に興味を持ったことがきっかけです。

■ なぜ彫刻を専攻されたんですか?
彫刻は、絵と違い、裏や横、下からも作品を楽しむことができるという点に魅力を感じるからです。また、箱根(神奈川県)にある「彫刻の森美術館」の作品に大きく感銘を受けたことも影響しています。広い空間にただ作品が展示してあるだけなんですが、とても迫力があります。かっこいい、と感じました。

■ 実際に大学で彫刻を勉強されて、いかがですか?
おもしろいですが・・・大変です(笑)。自分が使う道具を一から自分自身で作り、作った道具が使えるようになったときはもちろんですが、使えなくなった、という感覚を覚えたときに「やっと自分の道具になったんだ」と嬉しくなったことを覚えています。先輩からも「ノミ研ぎも作品の一種、大事な自分の手だよ。」という言葉をいただき、大事にしています。また、道具作りだけではなく、作りたいと思ったものをどの角度から見てもおかしくないよう作り上げることはとても大変なことで、素材選びから頭を使います。しかし、その大変なところも彫刻の魅力、おもしろさに繋がっているので、学んだことを活かせるよう制作していきたいと思っています。

■ 高木さんは、「かぐや姫プロジェクト」に参加されたそうですね。参加された感想を聞かせてください。
竹を使って橋や階段を完成させるという作業を通じて、単にデザインに凝るだけでなく、人が実際に通るための強度や実用性を兼ね備えていないといけないということが通常の作品とは異なる、ということを学びとても良い経験になりました。ただ、強度をあげるために竹の節を揃えたり、竹が足りず伐採作業に携わったり、過酷な作業でした(笑)。

■ このプロジェクトを通じて学んだことを教えてください。
今回このプロジェクトに参加して、歴史ある自然界のものにも芸術が潜んでいるということを感じました。竹ひとつとってみても、切り方や組み方で全く印象が違うんです。そこで、より多くの素材に触れるということの大切さを学びました。大学にいる間にさまざまなものに触れ、さまざまな体験をしておくことが重要で、それはきっと先々の発想に役立つ、そう思いました。また、材料の搬入であったり、みんなの力を合わせて作品を制作する、みんなで一緒に作業する、芸術作品は自分だけで制作できるものではないということも強く感じました。

■ 将来の夢について教えてください。
将来は、芸術関係の仕事に就きたい、そして、できれば立体でモノを作り続けていきたいと思っています。