国際交流・留学 International exchange and study abroad

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派遣留学の体験記 (フランス・レンヌ第2大学)


国際学部  国際学科4年  鎌倉 千仁さん

 フランス・レンヌ第2大学
[2017年9月 ‐2018年6月]

  (大学校舎)

● 留学先大学の特徴とアピールポイント
わたしはフランス・ブルターニュ地方にあるレンヌという街の レンヌ第2大学に留学していました。 レンヌには公立の大学が2つあり、レンヌ第1大学では理系の学問や経済を学ぶことができ、レンヌ第2大学では文学、スポーツ、芸術などを学ぶことができます。 わたしが実際に通っていたのは第2大学内に併設されているCIREFEという語学学校なので、現地の学生と一緒に授業を受ける機会はなかったのですが、日本語クラスのボランティアをしている時やキャンパス内の学生をみていると個性が強い人が多いなという印象を受けました。見た目が派手な人も多かったですが、それだけでなく自分の考えを表現したり、 誰かと議論することも好きな人が多いのかなと感じることが多かったです。4月ごろから始まったマクロン大統領の教育制度改革に対する抗議デモもレンヌ第2大学ではとても盛んでした。フランスのほかの都市でも同時期に大学生によるデモはありましたが、その中でもレンヌ第2大学でのデモは長期的で活発で、キャンパス内でよく大規模な学生集会を開いたり、大学を封鎖したりしていました。 授業の進行に影響が出たり、一部報道では過激な学生が器物破損したということもあったので賛否はあると思いますが、 国の政策に対して自分で考えるだけでなくその考えをだれかと議論し、行動を起こすことができる生徒が多いというのは 一つの特徴だと思います。あと、大学に限らずレンヌは親切で優しい人が多く、留学生も多いので、外国人にとっても住みやすい街です。

        
(左:寮の部屋、右:大学近辺)

● 留学を振り返って、留学で得たものと今後の目標は何ですか?
留学で得たものは【海外で生活するための力】です。 フランスに限らず、海外で暮らすためには様々な手続きが必要です。しかし、必要な手続きや手続きの方法は日々変化しているので最新の情報を得ることが大切になります。最新情報を得る方法としては、①インターネットで調べる ②各窓口に直接問い合わせる③情報が入る環境を作る、などがあると思いますが、①や②は当初ほとんどフランス語が できなかった私にとってかなり難しかったです。そこで、③の方法がとても役立ちました。 クラスメイトや留学生、日本人同士の集まりに参加していると、前年やもっと以前からフランスで暮らしている人がたくさんいたので、かなり情報は集めやすかったです。もう一つ大事なことは、自己主張です。 どこでもというわけではないですが、待っているだけだとどんどん後回しにされることがあるので、自分の手続きや申請の進捗はどうなっているのかこまめに確認する必要があります。 
今後の目標は、フランス語力を仕事で使えるレベルまで上げることです。留学当初に比べれば話せるようにはなりましたが、フランス語で大学の授業を受けられるレベルには達していません。これからも勉強を続け、仏検やDELF/DALFの取得を目指します。
 
 
(左:学食ランチ、右:朝マルシェ)

● これから留学を希望する後輩へのメッセージ
これから留学する人には、留学先の文化や生活にどっぷりつかってほしいです。そうすることで、そこに住んでいる人たちが何を大切にしてどんなことを考えているのか見えてくるようになり、その国や地域で起きていることをより深く理解できるようになると思います。 いくら本やネットの記事を読んでも想像するのには限界があるので、せっかくの体感できる機会を最大限に楽しんで欲しいです。 あと、留学中には良いことも悪いことも予期せぬことがたくさん起きます。 真面目な人ほどストレスに感じてしまうかもしれませんが、命にかかわること以外は一つずつやっていけば何とかなるのであまり思いつめずに、自分なりのストレス解消方法を準備しておくといいと思います。

 
(左:古い町並みが残る地区、右:オペラ劇場)

  ● 留学を終えて
わたしは移民・難民問題に関心があり、留学に行く前は、2015年のパリで起きたテロをきっかけに移民・難民の受け入れを制限する声も強まる中、19世紀末から積極的に移民の受け入れを行ってきたフランスでは実際どのように人々が共存しているのか気になっていました。 実際に暮らしてみて、私の生活圏内では様々なバックグラウンドを持った人が活発に交流している印象よりも、住み分けているなという印象のほうが強かったです。キャンパスや語学学校、学食の中を歩いていても、だいたいが フランス人同士やアジア人同士のように自然と別れていました。 それに、フランス人のキリスト教の友達に「私たち(キリスト教徒)と彼ら(イスラム教徒)は違うから仲良くできない」と 言われたことがあり、宗教問題を感じる場面もありました。 また、移民の人々が多く住む地区ではスリや麻薬などの犯罪が多発していました。 その一方で、私が住んでいたブルターニュ地方のレンヌは留学生が多く、地元の人も様々な国の人がいることに慣れているので、親切で温かい人が多く、宗教や出身国を気にしないで交流している人も多かったです。 テレビでの報道ほど移民・難民を排斥しようという動きは見えませんでしたが、移民・難民(特にイスラム教徒)に対してよい感情を抱いていない人がいるのも現実でした。

  
(休みには、旅行やガーデンランチ等をして過ごしました。)


 
(お世話になったフランス人やアジアからの留学生達と)

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