広島平和研究所

East Asia’s Relations with a Rising China

東アジアと台頭する中国との関係

ナラヤナン・ガネサン、ラム・ペン・ア、コリン・デュルコプ/編(コンラート・アデナウアー財団、2010年)

 

 

 本書は、2008年8月にドイツのコンラート・アデナウアー財団から資金協力を得て、シンガポール国立大学東アジア研究所主催により開催されたワークショップの成果である。ワークショップは、東アジア諸国の二国間関係の特徴、及び、各国の対中関係の特徴を分析することを目的として行われ、各国の関係を支える外交の機微、また中国が国際的な経済力・政治力を増すなかで、それがどのような変化を見せるのかを検証した。本書は全13章から成り、初めの3章は東アジアにおける中国の概論、中国の外交、世論調査から浮かぶ中国像を扱い、続く3章は、北東アジアの二国間関係(北朝鮮、韓国、日本各国の対中国関係)を読み解いた。残る7章は東南アジアに焦点を当て、特にインドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイ、ベトナム、ミャンマー各国と中国との関係を検証した。この研究で明らかになったのは、総じて東アジア諸国は中国との関係において対立より協調を望んでいるということである。このような傾向は、これまで中国の野心的な側面と戦略的利害を問題視してきた日本、ベトナム、インドネシア等の国々にも見受けられる。