広島平和研究所

「フクシマを海洋から考察する」

 

講師 ケン・ベッセラー(米国ウッズホール海洋研究所 海洋・環境放射能センター長)

 

広島平和研究所では、下記のとおりHPI研究フォーラムを開催しました。

      

  
1.  テーマ
「フクシマを海洋から考察する」

2.  日時
2019年3月20日(水)18:00-20:00


3.  場所
広島市立大学サテライトキャンパス セミナールーム2
広島市中区大手町4-1-1大手町平和ビル9階(市役所本庁舎向い)


4.  講演の概要
2011年3月に発生した地震と津波、福島第一原子力発電所からの放射性物質の放出という大惨事の連鎖は、社会にとっても海洋にとっても未曾有の出来事であった。
この講演では、福島第一原子力発電所から放出された放射性汚染物質の概要、及び、これまでの8年間の調査で明らかにされたことを報告する。また、福島原発由来の放射性核種(放射能をもつ原子核の種類)はどのような影響を及ぼすのか、海洋の未来を見据える。
具体的には、特に放射性セシウムに着目しながら時系列観測データを分析し、海洋における汚染物質の移流拡散、及び、海洋魚が種別に含有する放射性物質の量的変化を検証する。さらに海洋生物相や堆積物の放射能レベルの長期的傾向、貯蔵タンク内の汚染水処理、放射性セシウム含有微粒子の検出など、未解決の重要課題についても議論してみたい。

 

5.  講師の略歴
ケン・ベッセラー博士は、米国ウッズホール海洋研究所(WHOI)の海洋科学者であり、海洋に存在する天然及び人工放射性核種の研究を専門としている。その研究領域は、大気圏内核実験の放射性降下物、チェルノブイリ事故の黒海への影響評価、太平洋における福島第一原子力発電所からの放射性核種汚染の調査など幅広い。ベッセラー氏は、WHOI海洋化学・地球化学部長、米国国立科学財団・化学海洋学プログラム参事等を経て、現在は、WHOI海洋・環境放射能センター(Center for Marine and Environmental Radioactivity)長を務める。2011年には、英タイムズ社の高等教育情報誌(Times Higher Education)により、2000年~2010年の10年間で最も多く論文が引用された海洋科学者に選出されている。