広島平和研究所
連続市民講座(2008年度前期)

被爆体験を見つめて――「原爆の絵」が語りかけていること 

 

■概要 
 広島平和記念資料館には、さまざまな被爆体験が描かれた「原爆の絵」が保存されています。1974~75年と2002年の一般公募をきっかけに集められた、これら3,600枚の「原爆の絵」は、いま私たちに何を語りかけているのでしょうか。今回の連続市民講座では、「原爆の絵」などを手がかりに、被爆者にとって60余年を経ても決して風化することのない被爆体験と、被爆者が抱える「心の問題」について考えてみたいと思います。
 第1回は当研究所の水本和実研究員が、被爆体験がどのような形で伝えられてきたのか、被爆直後から現在までの変遷をたどります。第2回は「原爆の絵」を読み解く上で重要だと考えられる被爆者の「心の問題」に光を当て、長年、精神科医として多くの被爆者の方々と向き合ってこられた中澤正夫氏からお話を伺います。第3回は海外に事例を求め、ホロコーストを生き残った人々の「心の問題」が戦後のドイツ社会でどのように受け止められてきたのかを猪狩弘美氏の講義から学びます。
 講座の後半では、「原爆の絵」に焦点を当てます。第4回は平和記念資料館職員が、被爆体験を伝える諸種の資料とその特徴を紹介しながら、「原爆の絵」の収集事業の全体像を解説します。そして最終回の第5回は、被爆者が絵に込めた想いと被爆体験の語りをめぐる諸問題について、被爆証言の聴き取りを通じて「原爆の絵」を分析してこられた直野章子氏に語っていただきます。
 今回のプログラムが、受講者の皆さんにとって、「被爆体験をどのように理解し、どう語り継いでいくか」という問題を考える際の、一つの糸口となれば幸いです。


■日時:6月6日(金)、6月15日(日)、6月20日(金)、6月27日(金)、7月4日(金) 全5回
      金曜日:18:30~20:30 日曜日:14:00~16:00(講義90分、質疑応答30分)


■会場:広島市まちづくり市民交流プラザ 北棟6階 マルチメディアスタジオ
     (広島市中区袋町6番36号 TEL 082-545-3911)


■講義内容等
(1) 6/6(金) 水本 和実/広島市立大学広島平和研究所准教授 

「被爆体験――それは何を意味し、いかに伝えられてきたか」
(2) 6/15(日) 中澤 正夫/代々木病院嘱託医 

「被爆者の「心の傷」を見つめて――精神科医の立場から」
(3) 6/20(金) 猪狩 弘美/東京大学大学院 

「未曾有の惨劇のあとで――ホロコーストの体験と救済、そして生存者の心の問題」 

(4) 6/27(金) 広島平和記念資料館職員 

「被爆資料と『原爆の絵』――収集、保管、展示の立場から」

(5) 7/4(金) 直野 章子/九州大学大学院比較社会文化研究院准教授 

「『原爆の絵』に寄り添う――込められた想いを考える」 

  
市民講座の内容は、当研究所機関紙掲載の記事でご覧いただけます。

『HIROSHIMA RESEARCH NEWS』第11巻2号内記事)


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