広島平和研究所

連続市民講座(2011年度前期)  

広島で長崎を考える

 

■概要 
 広島・長崎の両市は共に「被爆地」と呼ばれながらも、戦後長崎には「祈りのナガサキ」、広島には「怒りのヒロシマ」という異なった形容が用いられてきました。そうした背景には、広島と長崎の被爆状況の違いがあると言えるでしょう。原爆投下までの経緯は両市では異なり、その経過の中で投下された場所にも違いを生じました。広島の爆心地は都心部であり、長崎は市街中心部から北へ約3km離れた浦上地区に原爆が投下されました。そのため、長崎の被爆を考える際には地域的な問題を考える必要があります。
 更に、長崎は「二番目の被爆地」と呼ばれてきたように、広島とは異なる時間的な問題をも抱えて戦後を歩んできました。これらの違いは、両市における戦後の復興政策や、市民活動、平和運動にも影響を与えたと考えられます。しかし、これまで原爆に関する議論では、両市の被爆問題の差異に重きが置かれず、広島は広島、長崎は長崎、とそれぞれに生じた問題が個別にとらえられる傾向がありました。66年の歳月を経た今こそ、両市の人々が互いの被爆問題に向き合う必要があるのではないでしょうか。
 本講座では、「広島で長崎を考える」をテーマに、第一回の講義では、問題提起として広島と長崎の被爆の違いを具体的に見ていきます。その後、第二回の講義以降においては、長崎の被爆体験、原爆文学、歴史と文化、平和運動の分野からそれぞれ取り上げ、長崎の被爆問題に関して多角的な視点からの考察を試みます。
 広島から長崎を考えること、そして長崎から広島を考えることによって、その先に被爆地として共通する歴史的経験が見えてくるのではないでしょうか。両市が互いに光をあてることで、原爆によって生じた人類史的な問題を一層浮き彫りにできると考えます。広島と長崎の連帯がより強くなることを願い、受講者の皆様と共に広島において長崎を考えることを目的として本講座を開講します。

 

■日時:5月27日、6月3・10・17・24日 金曜日 全5回
     18:30~20:30(講義90分、質疑応答30分)


■会場:広島市まちづくり市民交流プラザ 北棟6階 マルチメディアスタジオ
         (広島市中区袋町6番36号 TEL 082-545-3911)

 

■講義内容等 
(1) 5/27(金) 桐谷 多恵子/広島平和研究所講師

「講座の序説――広島と長崎の被爆問題を比較と関係の視点から考える」
(2) 6/3(金) 高橋 眞司/長崎大学客員教授

「被爆体験と平和責任――長崎にあって哲学する」

(3) 6/10(金) 田中 俊廣/活水女子大学教授・詩人

「長崎の被爆後の文学と表現活動」

(4) 6/17(金) 舟越 耿一/長崎大学教授

「被爆地長崎の課題と長崎の多文化共生の理念」
(5) 6/24(金) 土山 秀夫/元・長崎大学長

「長崎における平和運動」
 

市民講座の内容は、当研究所機関紙掲載の記事でご覧いただけます。

『HIROSHIMA RESEARCH NEWS』第14巻2号内記事)

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