広島平和研究所

連続市民講座(2017年度後期)

 

核兵器禁止条約の展望と課題



 広島平和研究所では、2017年10月11日から11月8日まで合人社ウェンディひと・まちプラザ(広島市まちづくり市民交流プラザ)において、下記のとおり2017年度後期の連続市民講座を開催します。
 下記の申込方法をご覧のうえ、是非、お申し込みください。

                     
                                      今年度前期の講義より


 

 

■講座名 核兵器禁止条約の展望と課題
【概要】

 今年7月に国連で核兵器禁止条約が採択されました。非核兵器保有国が結束して交渉を進め、核兵器廃絶を求める国際NGOや日本の被爆地・広島、長崎の市民らも、全面的に支援してきました。そうした成果が実を結んだといえるでしょう。
 しかし、課題も山積しています。まず、核兵器保有国が条約に反対し、非協力的であること。いくら条約ができても、肝心の核兵器を現に有している国が加わらなければ、実効性がありません。次に、日本やオーストラリア、NATO諸国など、米国の「核抑止力」に依存している、いわゆる「核の傘」の下にいる国も、核兵器保有国に同調して、条約に反対し、非協力の姿勢をとり続けています。
 こうした核兵器保有国や「核の傘」の下にいる国々はさらに、核兵器開発やミサイル発射を継続している北朝鮮の脅威に対しては、安全保障上、「核抑止力」が必要だと強調し、条約の意義を否定しています。
今回の連続市民講座では、こうした事態を踏まえ、条約が核兵器のない世界の実現へ向けて、力を発揮しうるのか、その条件は何か、あるいは核兵器保有国や「核の傘」の下にいる国々の反対や非協力を克服する方法はあるのか、などについて、専門家と市民がともに考えることをねらいとしています。

                                                               ※核兵器禁止条約の日本語版はJALANA暫定訳をご参照ください。

■日時 10月11日~11月8日  18:30~20:30 毎週水曜日 全5回 (講義90分、質疑30分)


■会場 広島市まちづくり市民交流プラザ (合人社ウェンディひと・まちプラザ)

北棟6階 マルチメディアスタジオ 広島市中区袋町6番36号 TEL 082-545-3911


■定員 100名 (申込多数の場合は抽選)

 

■受講料 無料

■申込方法 お電話でお申し込みください。Eメール・ファクスの場合は、件名を「連続市民講座受講希望」とし、氏名(ふりがな)・住所・電話番号を明記の上、下記へお送りください。

 

■申込締切 9月29日(金)
※受講可否の結果は、10月2日(月)頃に郵送予定です。
※受講可能な場合は、受講番号票を同封いたします。
※受講の際は、受講番号票をご提示ください。受講番号が確認できない場合、入場をお断りすることがありますので、ご了承ください。
      
■申込先 広島市立大学 広島平和研究所 事務室
〒731-3194 広島市安佐南区大塚東三丁目4番1号
電話 082-830-1811 ファクス 082-830-1812
Eメール office-peace&peace.hiroshima-cu.ac.jp

※E-mailを送付されるときは、&を@に置き換えて利用してください。

■各回の講義内容等

10/11 (水) 孫 賢鎮 / 広島市立大学広島平和研究所准教授
「核兵器禁止条約から見た北朝鮮の核・ミサイル問題」
  北朝鮮は今年1月、4回目の核実験を行い、続いて長・短距離ミサイルを発射しました。北朝鮮の核能力・ミサイル技術の高度化は北東アジアの安全保障構造に不均衡と脅威を招いています。韓国国内では核武装の議論も行われ、朝鮮半島をめぐる日米中の勢力争いが激化しています。北朝鮮の核実験に対して、国連および各国は非難決議案を出すなどの制裁措置を講じています。北朝鮮の核およびミサイル開発に対して、国際社会はどのような対応を取るべきか、核兵器禁止条約はいかなる意味を持つかを考えます。

10/18(水) 福井 康人 / 広島市立大学広島平和研究所准教授
「国際法の下での核兵器禁止条約」
  核兵器禁止条約は、国連総会決議に基づいて2017年3月および7月の2回にわたり条約交渉会議が開催された結果、7月7日に賛成122、反対1、棄権1で条約が採択され、9月20日に署名開放されます。この講義では核兵器禁止条約と条約法条約、軍縮国際法、国際人権法、国際人道法、国際環境法、国家責任法など、主要な国際法分野との関係を明らかにすることにより、その方向性について分析し、さらに同条約の抱える課題についても検討します。

10/25(水) 川崎 哲 / ピースボート共同代表
「核兵器禁止条約と市民の役割」
  今年7月、核兵器禁止条約が国連の交渉会議で採択され成立しました。これは、核兵器を全面的に禁止しその廃棄の道筋を定めた歴史上初めての条約です。いかなる核兵器の使用も破滅的な人道上の被害をもたらすという認識の下、赤十字やNGOが「人道イニシアティブ」諸国と連携してこの条約を作り上げました。
その過程を振り返りながら、核兵器廃絶に市民が果たす役割や、被爆国日本に課された課題について考えます。

11/1(水) 小溝 泰義 / 広島平和文化センター理事長・平和首長会議事務総長
「核兵器禁止条約の展望と平和首長会議の提案」
  核兵器禁止条約が、核兵器国やその同盟国の反対にもかかわらず採択された背景と意味について、被爆者の役割と核使用のリスクの認識の広がりを中心に振り返ります。次に、核兵器禁止条約の内容の注目点について概観し、平和首長会議の提案が反映された条文とその意義についても触れます。最後に、核兵器禁止条約の採択を踏まえ、実際に核兵器を廃絶するために市民社会が果たすべき重要な役割について、平和首長会議の展望をお話しします。

11/8(水) 水本 和実 / 広島市立大学広島平和研究所副所長・教授
「核兵器禁止条約と日本の役割」
 核兵器禁止条約の交渉には、多くの非核兵器保有国が主体的役割を果す一方、核兵器保有国および核の傘に依存する大半の国々は条約に反対し、交渉に加わりませんでした。
 そして核兵器保有国と非核兵器保有国の「橋渡し」をすると明言している日本は、条約が両者の亀裂を拡大するとの理由で、同じく条約に反対し、交渉にも参加していません。しかし、被爆地をはじめ日本の市民の多くは、疑問をもっています。日本政府はどうすべきなのか。被爆地の役割は何かを考えます。

 

■講師紹介

孫  賢鎮 / 広島市立大学広島平和研究所准教授                                           
1971年、韓国釜山市生まれ。2006年神戸大学大学院法学研究科修了。博士(公共関係法)。2006年〜2011年、韓国統一部事務官(北朝鮮人権、拉致問題担当)、2011年〜2014年、韓国法制研究院研究員を経て2014年4月より現職。専門は国際法、北朝鮮問題。主な研究業績に、「北朝鮮の体制転換による北朝鮮住民の人権改善方案の研究――北朝鮮の政治犯収容所の清算問題を中心に」『統一研究院学術業書(Ⅱ)』(統一研究院、2013年)、「北朝鮮の脱北者の法的地位――国際法の観点から」『広島平和研究』Vol.4、(2017年3月)など。

福井 康人 / 広島市立大学広島平和研究所准教授                                          
1964年、兵庫県生まれ。2013年パリ第1大学法科大学院修了。博士(法学)。1987年外務省入省後、人権難民課、報道課、軍備管理軍縮課、不拡散科学原子力課、国際組織犯罪室、国際平和協力室、軍縮会議日本政府代表部、在ルーマニア日本大使館、南山大学外国語学部(客員教授)等で勤務。2015年3月外務省を退職し、同年4月広島市立大学広島平和研究所に赴任。主な著書は『軍縮国際法の強化』(信山社、2015年)。

川崎 哲 / ピースボート共同代表                                            
1968年、東京都生まれ。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員。恵泉女学園大学、早稲田大学、東京外国語大学等で非常勤講師。2008年から広島・長崎の被爆者と世界を回る「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」プロジェクトを実施。2009年~2010年、日豪両政府主導の「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」でNGOアドバイザーを務めた。2008年の「9条世界会議」、2012年の「脱原発世界会議」の開催に中心的な役割を果たした。著書に『核兵器を禁止する』(岩波ブックレット、2014年)など。

小溝 泰義 / 広島平和文化センター理事長・平和首長会議事務総長                                          
1948年、千葉県生まれ。法政大学法学部卒業。1971年外務省入省後、在米大、在サウディ・アラビア大、在オーストリア大に勤務。この他、国際原子力機関(IAEA)に2度出向し、1997年~2002年にエルバラダイ事務局長特別補佐官を務める(退任時にIAEA功労賞(Distinguished Service Award)受賞)。2004年より本省で国際原子力協力室長を務めた後、2008年に在ウィーン国際機関日本国政府代表部大使に就任。2010年より駐クウェート特命全権大使。2012年外務省退職。2013年4月、(公財)広島平和文化センター理事長就任(現職)。2013年8月、平和首長会議事務総長就任。

水本 和実 / 広島市立大学広島平和研究所副所長・教授                                           
1957年、広島市生まれ。1981年東京大学法学部卒業、同年朝日新聞社入社。1989年米国タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修士課程修了(MALD法律外交修士号取得)。朝日新聞社ロサンゼルス支局長、広島平和研究所准教授などを経て、2010年より現職。専門分野は国際政治・国際関係論(核軍縮)。著書に共編『なぜ核はなくならないのかⅡ』(法律文化社、2016年)、単著『核は廃絶できるか――核拡散10年の動向と論調』(法律文化社、2009年)、共著『核軍縮不拡散の法と政治』(信山社、2008年)、広島平和研究所編『21世紀の核軍縮――広島からの発信』(法律文化社、2002年)など。

(敬称略)