国際交流・留学 International exchange and study abroad

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派遣留学の体験記 (中国・上海大学)

国際学部 国際学科4年  藤本 真穂さん

 中国・上海大学
[2018年9月 ‐2019年7月]

● 留学先大学の特徴とアピールポイント
 上海大学の語学留学生用キャンパス周辺は、地下鉄の最寄り駅が徒歩5分圏内の場所にあり、中国人学生が朝の授業前に肉まんや豆乳を片手に食べ歩きしながらキャンパスを移動し、寮の外から聞こえる現地人の話し声や車のクラクションとともに朝が始まりました。これが朝が早い中国人の生活スタイルです。有難いことに大学周辺の飲食店は、留学生がたびたび足を運ぶため中国人店員が外国人慣れしていて、拙い中国語で注文しても理解しようとしてくれたり、顔を覚えてくれたら最近はどう?と会話したり、中国語を学ぶモチベーションの一つになりました。尚且つ上海名物の夜景が見える外灘に地下鉄で30分という便利な立地で、最先端の上海とローカルな上海の二面が見えました。
 また国際都市上海への留学生は五大陸から多様な国の人が集まり、外国人の友達がたくさんできました。奨学金を取り留学へ来ている授業が始まる前に、クラス分けテストが行われ、自分の中国語力と同じぐらいの人たちと授業を受けられます。自分がレベルアップしたければ上のクラスに変更することもでき、切磋琢磨しながらレベルの高いクラスで授業を受けることで、中国語を学ぶことはアジアの国だけでなく、アフリカ、ヨーロッパなど世界各国で実用性があることを実感しました。日本人は漢字が読めるため中国語を目から覚えますが、他の国の人たちは漢字を書くことより先に耳で覚えるため、リスニング・スピーキング力の高い外国人学生との対話は、自分にとってかなり良い練習の場になり、どのようにして自分の意見を外国語で分かりやすく伝えるのかを考え実行する貴重な機会になりました。中国語のシャワーをふんだんに浴び、疲れ果てた授業終わりは「タピる?(去COCO或者一点点?)」という一言で近くにある一杯200円もしない美味しいタピオカ屋さんで友達とお喋りする、というのが私の授業のある日の流れでした。


<クラスメイトと/留学生の友人とお花見>


<大学図書館/タピオカMサイズ10元(約160円)>

● 留学を振り返って、留学で得たものと今後の目標は何ですか?
 留学を通じて痛感したのは、自分は中国や世界の国々ことを知ったかぶりしていたことです。高校生の時にある程度世界史は勉強したし、知っている国の数は人より多いだろうと、ある程度の知識があると根拠のない自信を持っていました。しかし、いざ中国へ行き中国人や外国人の方と交流すると、自分が知識と思っていたのは偏見や10年以上前にインプットした知識で止まっていたことが分かりました。例えば、「ユニセフが支援に力を入れているアフリカ」と言えば、施設が整っておらず生活もままならない人々がたくさんいるというイメージですが、上海で出会ったのは、大学で中国語を専攻し政府から奨学金を貰い留学に来ている中国語がペラペラで紺のスーツがとても似合うアフリカからの友達でした。全員が国のイメージに当てはまらないと身をもって実感したのは勿論アフリカだけに限りません。中国人全員が激辛麻婆豆腐を食べられるわけでありません。中国の衣食住文化は、日本の25倍の国土、何倍もの歴史を持つから、一言で表せません。
 こういったことから中国人にとって、所属する場所や環境はとても大切で自分のアイデンティティーを示す大切な要素であるということがよく分かりました。私は日本人だと意識づけられることも多く、日本はどう見られているのか、少しだけ外から自国を見ることができました。留学が終わった今も、まだまだ知り切れていない中国の面白さをこれからも知りたいという好奇心が溢れています。今後の目標としては、知的好奇心を持ち世界の現状や実態を自分の足で出向いて確かめることです。そのためにもここで得た彼らとの繋がりを大切に、日中に関わらず自分なりの草の根運動を実行したいです。


<四川風担々麵18300)/花山椒入り麻婆豆腐


<韓国からの寮のルームメイトと/寮の一室で友人たちと夕食会>

● これから留学を希望する後輩へのメッセージ
 留学へ行きたいと考えている皆さんに3つお勧めしたいことがあります。
 1つ目、「なぜ留学したいと思ったのか?留学で何をして何を得たいのか?を考えること」です。私は人生初めての留学が自分に合っているのか分からないまま、何かの手段で海外で住んでみたいという思い付きで上海留学を選びました。得たもの感じたものが多く上海留学したことを後悔していませんが、もっと選択肢はなかったのか、自分は本当にこの道に納得しているのだろうかと自問自答をすればよかったと2年前の自分の浅はかさに後悔しています。人生のうちで貴重な大学生活は、あっという間に過ぎてしまいます。海外へ行く方法は留学以外で何でもあります、より充実した留学にするために自分と一度向き合い熟考してみてください。
 2つ目は「留学に行く前にその国はどういう所なのか、自分の足で訪れ知ること」です。憧れだけを持ってその国へ行くと、長く住めば住むほど負の面も見えてきてしまいます。その国の正負の両面を見てから、本気で長期留学を考えると、自分がこの国で長期滞在ができるか、もし困ったときにどうしようか、事前に最小限のリスクマネジメント方法を見出せるはずです。だって予測できない困難が沢山待っているのですから!現地で苦しいことを経験して、そこから逃げたら何も身になりません。まずは自分の考えるその国と実際の現地を比較してみましょう。そこで日本とは違った街、システム、法律、雰囲気等を、是非自分の五感でふんだんに感じて欲しいです。
 さあ、最後の3つ目は留学を決めたあなたに伝えたいことです。「親に感謝しましょう!生きて帰ってきてください!」留学であなたの可能性を広げられる機会を与えてくれた一番の協力者は家族です。辛いことがあっても家族が一番近くで支えてくれることが痛いほどわかります。一生懸命楽しんで、その国で自分の武勇伝を作って帰ってきましょう!応援しています、それでは、いってらっしゃい!

    
<雲南省の世界遺産、麗江古城/チベット自治区西蔵ラサの世界遺産、ポタラ宮殿>


<上海外灘の夜景/雲南省大理の洱海>

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