全研究科共通科目群

学際的な視野から、明日の地球社会を見つめる

全研究科共通の選択必修科目群「21世紀の人間と社会」は、人文科学、社会科学、自然科学、芸術学など、既存の縦割りによる学問領域を越えて、より広範な学際的領域で編成されています。これらの科目群を通してさまざまな分野の本質に触れることで、学問研究に対する調和のとれた思考と柔軟な批判精神を養い、修得する専門知識を再構築する機会が得られます。
このように、大学院では専攻する専門分野の既成の枠組みを越えて、常に、新鮮な視点、多様な問題意識、柔軟な判断力を養う、21世紀に役立つ調和の取れた教育 研究を行っています。

開設授業科目

【科目名】<講師>

概要

【人間論 A(人文 社会科学)】

<国際学研究科准教授 柿木 伸之>                                                                                             

人間とは何か。この問いは古代ギリシア以来、ヨーロッパの思想史において中心的な問題の一つであり続けてきました。また、ルネサンスにおける「人間」の再発見以来、「人間らしさ」の実現は、文明の発展の目標とされてきました。しかし、今日人間とは何かと問う際に、文明の発展史において想定されてきた「人間」像が、歴史的に作られたものであることを、さらにその歴史が、「人間らしさ」とされてきたものを破壊し、人間自身の生命を根幹から脅かすに至ったことを、けっして忘れることはできません。今や「人間」は、それを想定することの可能性を含めて、根底から問いただされるべき概念と化しています。本講義では、こうした現代の問題意識を踏まえつつ、ヨーロッパの思想史のなかで「人間」がどのように捉えられてきたかを検討することをつうじて、今人間とは何かを問う糸口を探っていきます。

【人間論 B(自然科学)】

<非常勤講師 戸田山 和久>

人間の大きな特徴は「心」をもっていることだと言われてきました。一方で、人間は動物であり、さらに究極的には物質にすぎません。こうした唯物論的な見方に立った上で、人間の心をどのように捉えていけばよいのか、心の科学と心の哲学の交差する領域の問題を考えていきます。

【国際関係と平和】

<広島平和研究所 所長 吉川 元>

20世紀を通して今日に至るまでの、国際平和観および安全保障観の変遷と転換について講義いたします。戦争は無条件に否定されねばなりません。だからといって戦争なき平和は無条件に肯定することはできないと思います。平和はそのあり方しだいで人間の安全を脅かすことになります。戦争の犠牲者数が平和時の権力者による民衆殺戮の犠牲者数を上回っている事実は、平和が必ずしも人間の安全を保障するとは限らないことを物語っています。なぜ平和な時代に民衆が殺戮の対象になったのか。こうした疑問の上に、20世紀の戦争と平和、および安全保障の概念の変容について考察し、国際平和と人間の安全の双方の実現を目指す平和創造の方法について検討いたします。

【日本論】

<国際学研究科教授 佐藤 深雪>

20世紀初頭に、夏目漱石は、自己本位と則天去私にもとづいた個人主義によって独自の立脚点を得た。ヘンリー・ジェームズにおけるヨーロッパとアメリカの関係と対比しながら、漱石の「私の個人主義」と「現代日本の開化」を中心に考察する。

【科学技術と倫理】

<非常勤講師 石田 三千雄>

科学倫理や技術倫理、科学者・技術者の責任、技術の文明論的考察、生命操作技術の倫理や生命倫理学の倫理性、科学技術と公共性、市民の関与、技術倫理の課題、技術者倫理教育の現状などを論じる。授業は講義形式で行う。

【情報と社会】

<非常勤講師 橘 啓八郎>

私たちが生活している社会は情報化社会、電子社会等と呼ばれて久しい。現状では情報化、ITと称されている電子技術、情報通信技術によるコンピュータおよびそれらを結び合うネットワークシステムが重要な社会基盤と考えられ、それらの発展により私たちの生活や社会情勢が大きく変化しつつある。
本講義では経済、法制度、倫理、文化、国際関係等が情報関連技術の発展により、どのような問題が生じるか、今後どのように対処すればよいかを検討する。
このため、講義のみならず、関連する分野の課題発表も各自に行っていただく。

【道具論】

<芸術学研究科教授 及川 久男 ほか>

広島から、道具がどのような存在であるかを論ずる。道具存在論、道具が開く文明と文化の歴史、過去と現在、未来論、形態と機能、美意識の国際比較、美術、工芸とインダストリアルデザインとの違いなど、道具を使う立場、つくる立場、考える立場、商う立場にとっての道具のありようの見方を論ずる。

【都市論】

<芸術学研究科教授吉田 幸弘 ほか>

グローバル化やマルチメディア技術の普及とともに都市はますます不可視となってきた。機械化、ネットワーク化する都市は、他方で生命体としての人間のエコロジー回帰を促してもいる。そもそも都市とは何だったのか、歴史の原点に遡り、かつ未来都市を構想しつつ、また視野を広く地球規模に広げて、世界に知られる都市広島においてこそ論じなければならない、21世紀の都市像とそのデザイン方法について実践事例や現地見学を含めて講じる。

ページの先頭へ戻る